不老不死の放浪者1
西洋で不老不死というと、一種の呪いみたいな側面があるみたい。
欧州伝説で、刑場へ引かれるキリストを侮辱した罰として、死ぬこともできず、永遠に世界をさまようというユダヤ人。
こういった正体不明の放浪者の伝説は世界中にあるんだろうな。
僕が知る限りでも、例えば18世紀に現れたサンジェルマン伯爵とか。
彼の前半生は不明な点がきわめて多く、その正体が明確になるのはフランス社交界で活躍する1758年以降、彼が67歳になってからである。しかしこの年齢が正しいのかどうかも不明で、社交界で活躍していた時期の彼は40代以前にしか見えなかったという。
(中略)
哲学者ヴォルテールは1760年4月15日のフリードリヒ2世に宛てた書簡で、サン・ジェルマンについて「決して死ぬことがなく、すべてを知っている人物」であると書き、フリードリヒ2世も彼を「死ぬことのできない人間」と記している。
この人には、さまよえるユダヤ人と違って悲壮感はまったくないね。
こういう謎の人物が登場するセッションがやりたいなぁ。キャンペーンだったら、謎の導き手といった立場だろうか。ロードス島の灰色の魔女カーラみたいな、魅力的なNPCになりそう。
日本にも同じような話があるみたい。
残夢(ざんむ、生年不詳 - 天正4年3月29日(1576年4月27日))は、日本の僧侶。
(中略)
連日、食事をしないにもかかわらず飢える様子もなく、檀家からあらたに服を受けるとこれまでの服についていた虫を移し、貧しい人を見ると自らに服を脱いで与えた。
残夢あるいは残月と称する老翁が,不老長寿で源平合戦のことをよく知っていて,人々に話すので,尋ねてみると実は海尊であったとするものがあり,東北地方の地誌類にも同類の記事をときに見かける。
この人はサンジェルマン伯爵に比べると、なんとなく人間臭い気がする。平成狸合戦ぽんぽこの長老みたいな。
現代日本だと、僧よりはバーテンとかの方が似合うかな。影の実力者みたいな立場よりは、傍観者として見守っているイメージなんだけど。それとも、長生きし過ぎるとそう言った俗世の事には飽き飽きしちゃうんだろうか。そうしたら、どこで何をしてるんだろう。
後、日本の不老不死と言えば人魚の肉を食べちゃったパターンもあるけど、長くなったから、別の記事にしよう。