酒場の噂

TRPGのシナリオネタになりそうな情報・ニュースのメモ。元ネタはWikipedia多め。

道化師

始めて早々、放置してしまった。反省です。

ブログを書いてない間に、久しぶりにGMをやった。

本当はクトゥルフをやるつもりで準備を始めた矢先、リクエストがあって急遽パラノイアをやる事に。それはそれですごく楽しかったんだけど、せっかく作り始めてたクトゥルフのシナリオをそのままお蔵入りにするのももったいないので、使おうと思って収集してた道化師に関するメモの一部を紹介することにする。数回に分けるかな?

なお、パラノイアの方のシナリオは完璧な市民は既にご推察の通り、あまりに不謹慎なので内輪以外で披露することは出来ないのです…

 

中世ルネッサンス以前から、身体的不遇者や狂人なんかは貴族の家や宮廷に置かれていた。
これが愚者。当時の王侯貴族には愚考や奇形の見本を所有していることが一種のステータスだったようだ。
愚者が芸をするとき、たいていは失敗するんだけれど万が一本当に成功したときにはかなりの賞賛が与えられたらしい。
もちろん全部の愚者が宮廷に入れたわけではないので、たいがいは、首から大きな袋をぶら下げて、物乞いをしていたそうだ。
愚者は人から馬鹿にされたり卑下されることはあったけれどもそのかわりに王侯貴族と一緒の席で食事をしたり、その席で、どんな暴言、罵声を吐いても許されるという特権を持っていた。

そのうち時代が変わって、即興芸や風刺などをやれる頭の切れる愚者が人気を集めるようになってきた。
結局後世には、即興ショーやアクロバット、舞曲など特殊な技術を身につけた愚者、わざとおどけて人々を楽しませるやつらが生き残った。これが道化。
舞台でも道化役者が出始めて、即興の劇ができた。
イタリアではアルレッキーノ(フランスではアルルカン、イギリスではハーレクィン) など、巧みな言葉遣いとパントマイムをこなす主役級の道化役まで出てきた。
あんまりアルレッキーノがかっこ良すぎるというんで別なもっと間抜けで愚かな道化が必要だといことでフランスのほうで出来た道化役がピエロ。
田舎なまりの言葉を話す間抜けという位置づけになった。ただ、ピエロも演じる役者によっては抜け目ない、それでいて人前ではふざけている全ての感情をコントロールできるミステリアスな存在にもなった。白塗りの顔、全身真っ白な服などもこのころ定着した。

イギリスでは愚かで田舎ものの道化はクラウンと呼ばれた。
道化時代のようなマダラの衣装ではなく、白塗り、紅を口にさした独特の格好をした道化で、もとはハーレクィンの従者のだった。そのうちイギリスでサーカスが出来てメイクも段々とデカくて赤い鼻、デカい口、極太眉毛の現在のような姿になったそうだ。

 異形に関する記述を探しています。| ログ速

道化師とはそもそもなんなのか、という話がすごくよくまとまっている。

本当は、スティーブンキング原作のITみたいなのをやろうかと思って調べていたんだけど、これを読んでしまうと、道化師よりも愚者を取り上げてみたくなるなぁ。例えば、現代日本のお笑い芸人を愚者に見立てて、偉い人に臆さずにツッコミという名分の名の下に暴言を吐いたりして、逆に孤独な権力者の心に入り込んでいくとか…って、TRPG向きではなさ過ぎるかな。

僕が作ろうとしていたシナリオは、白塗りにしていないのに顔が真っ白な怪しい道化師が登場する予定だった。バットマンみたいなね。それに関連して、アルビノ(色素欠乏)についても色々メモを集めたんだけど、それは今度にしよう。

さておき、この引用元のスレッドは道化師以外にもかなり興味深い書込みが多いので、歴史が好きな人にはお勧めです。

 

最後におまけで、賢い道化の代表格な人をご紹介。

スタンチクポーランド語: Stańczyk1480年頃-1560年頃)はポーランドの歴史のなかで最も有名な宮廷道化師。彼はアレクサンデルジグムント1世老王ジグムント2世アウグストという三代の王に仕えた。

 (中略)

スタンチクはいつも、ただの芸人で あることをはるかに超えた存在だったと考えられている。知性と政治哲学者としての才能にあふれ、ポーランドの現在と未来の状況について、周囲の者に畏敬の 念を起させるほどであった。彼が発する気の利いた冗談は政治と宮廷の時事問題に関連しており、彼は自らの道化師としての仕事を通じて、風刺という手段を用 いながら同時代の人々に対する批判と警告を行った。

スタンチク - Wikipedia

ここまで来ると、もはやBlade Of ArcanaとかのヒロイックファンタジーのPCっぽい! それか、昔懐かしい感じのファンタジー物でキャンペーンをやる時に、無茶な依頼ばかり投げてくる王様の横にこういうNPCが1人いると話が膨らむかもなぁ。